私はインドのチェンナイで約1年間駐在していた際に、HSK2級程度から独学でHSK5級6割(合格相当。听力:62、阅读:77、写作:66)を達成しました!(HSK5級は帰国後すぐに受験しました。)
前提として私がインド駐在を始めた頃の中国語レベルを振り返りつつ、中国人が周りにいない、中国語を話す人も周りにいない環境で、私がどのように中国語を独学していたかをご紹介します。
(英検1級にも合格した語学勉強法を中国語学習にも応用しています。)
英検は言わずと知れた日本における英語資格の代表格! その最高峰・英検1級取ったらカッコよくないですか?しかも、TOEICなどのように期限付きの資格とは違い、英検は、取得したら一生資格を保持できます。 一回取ってしまえば、一生、「英[…]
- 1 インド駐在前の中国語レベルと学習歴
- 2 インド駐在中の中国語学習方法6つと利用した参考書
- 3 HSK対策は過去問演習が不可欠
- 4 中国語学習で挫折したこと
- 5 ぶっちゃけHSK5級は思ったほど難しくなかった・・!
- 6 おまけ:インドで中国語学習に励んだ理由
- 7 おまけ②:英語だろうが中国語だろうが語学を学ぶのはそれなりに時間がかかる
- 8 終わりに
インド駐在前の中国語レベルと学習歴
駐在前はHSK2級相当の中国語力
インド駐在中の中国語学習について書く前に、インド駐在前の学習について振り返ってみます。改めてHSKの問題を見ると、インド駐在前の私の中国語力は、HSK2級なら合格できたかなというレベル感でした。
ちなみに、中国語圏だと、上海と台北に行ったことがありました。
親しくなった中国人との縁で、今回初めて中国本土へ入国しました。中国に関して、今まで人づてやメディアからの知識しかなかった私が、上海での5日間を通して見たこと感じたことを書いてみます。いろいろありましたが、ここでは以下2つの[…]
駐在前はNHKのラジオ講座でなんとなく中国語を学習
インド駐在前はNHKのラジオ講座を聴いていました。まいにち中国語やおもてなしの中国語などを聴いていましたね。中国語の番組は色々種類があって面白かったです!
とはいえ、仕事終わりになんとなく聞いていただけで予習復習はしなかったため、内容はあまり理解できませんでした(まいにち中国語等はそこまで簡単ではない)。
ただ、英語学習での成功体験があったので、NHK ラジオ講座は非常に有効でコスパの良い学習法であると自信を持って言えます。
NHKラジオの『基礎英語』をご存知でしょうか?あなたがもし英語に苦手意識を持っていて、しかも小学・中学英語でつまずいているのであれば、基礎英語は非常にオススメです。 『基礎英語』は1、2、3とレベル別に分かれています。[a[…]
自分のレベルよりちょっと高めな内容の講座を受講するなら、予習・復習に10分でも時間をかけるだけでもかなり学習効率が上がるでしょうが、社会人にはなかなか難しかったりしますよね。
インド駐在中の中国語学習方法6つと利用した参考書
英語学習の経験上、できるだけ五感を刺激して中国語学習をするように心がけました。
独学の場合は特に、参考書選びが非常に重要なので、下記でご紹介するものか、書店でいろいろ見比べて使いやすそうなものを選んでみてくださいね。
中国語学習方法①:ハオ中国語アカデミーの「スーパー中国語」で基礎固め
まずは基礎固めからもう一度始めるべきだと確信した私は、会社の福利厚生のポイントを使ってe-learningの受講をしました。
ハオ中国語アカデミーによる「スーパー中国語」というものです。好きな時にオンラインで学習できるので、インドにいた私も、不自由なく学習できたのは良かったです!
基礎から学べたので、中国語の基礎力をつけるのに役立ちました。ノートを買って来て例文を書き写したので、書く練習にもなって良かったです!
中国語学習方法②:『品詞別・例文で覚える HSK基本語彙1級‐4級 CD付』でHSK4級までの単語を身につける
それと並行して、大学時代のバイトの先輩(1年間中国でインターンを経験、HSK6級)にいただいた、郭 春貴, 郭 久美子 著『品詞別・例文で覚える HSK基本語彙1級‐4級 CD付』を活用し、基礎的な単語を覚えていきました。
オーソドックスなデザインで使いやすかったです。また、ページ数が200ページもなく、「これを全部覚えればHSK4級いける!」とモチベーションを保ちやすかったです。
漢字がわかる日本人にとって、中国語の文法の基礎を固めておけば、HSK4級はそこまで難しくないです。
中国語学習方法③:『聴読中国語』を愛用して中国語レベルをHSK5級相当まで
『聴読中国語』は神!一冊でHSK6級レベルまでカバー
その後、津田量 著『聴読中国語』を使いました。HSK3級相当の中国語力があって、これから中国語力を本気で伸ばしていきたいなら、この本は超オススメです。
この『聴読中国語』を使い倒せばHSK6級レベルの語彙まで全てカバーできます!(私は残念ながらHSK5級レベルまでしか1年で到達できませんでしたが・・HSK6級は現在挑戦中です!)
たった2,000円ちょいの一冊の参考書でHSK6級レベルまで到達できるので、コスパも最強です。もちろん中国語の音声もついてくるので、それを移動中に聴いたり、音声を聞きながらシャドウイングしたりしています。
『聴読中国語』は最初は難しいが繰り返し学べば必ず力がつく
私自身、『聴読中国語』で勉強し始めた時は、特にリスニングをしても本文の意味が全くわかりませんでしたが、繰り返し聴いていくうちに少しずつ聴き取れることが増えていきました!
こういった少しずつわかっていく瞬間が楽しいですし、自信にもつながりますね! 語学学習の醍醐味です。
インド駐在中は色々なところへ旅に出ましたが、いつもこの『聴読中国語』を持参し、飛行機の待ち時間などを有意義に過ごすことができました。(『聴読中国語』は単行本サイズで、持ち運びしやすいのも大きな長所)
一つの教材を飽きるくらいやれば中国語力は必ず上がる
使い続けるとさすがに飽きてはくるものの、この『聴読中国語』を飽きるくらい活用し続けたおかげで、HSK5級レベルの中国語力をみにつけることができました!
一つの良書を飽きるまでやりこむのが、語学に限らず何かを勉強する際のシンプルな近道です。
中国語学習方法④:中国語のドラマや映画で生の中国語に触れる(趣味)
中国語のドラマや映画もオススメです!
中国のドラマは30話あるような長いものも多いのですが、その分ドラマを観ることを楽しんだり、登場人物の発音のくせに慣れやすくなりますね。一口に中国語といっても、中国語にはいろんな方言やイントネーションがありますし。
私が観て良かったドラマや映画は以下の通りです!
北京爱情故事
上の画像は同名・同じ監督による有名な映画『北京爱情故事』のものですが、ドラマも大人気でした。北京という大都会で様々なバックグランドの若者たちが、もがきながらそれぞれの道を歩んでいきつつ繰り広げる人間模様に、私は思わず惹かれてしまいました。
等身大の若者たちが人生の壁にぶつかって、それを乗り越えていくのを見ると、感情移入せざるを得ません。しかも、女優陣が大変美しい・・!
大河ドラマ弱の長さのドラマなので、インドで暇してなかったら、心ゆくまで観ることができました!
我的少女时代
『我的少女时代』は台湾で一世を風靡した青春映画です。仕事や恋に疲れたOLが自分の少女時代を回想するという構成で物語は進みます。
ダメダメな雰囲気の女子高生が学校一のワルとある目的のために協働していく中で、だんだんお互いが惹かれあっていくという甘酸っぱいラブストーリーです。ラストは胸が熱くなります・・
主人公が自分の少女時代を回想する物語なので、随所随所で懐かしい情景も描かれます。そういったどことない懐かしさも、ヒットの所以ですね! 日本語字幕・吹き替えもあります。
那些年,我们一起追的女孩
『那些年,我们一起追的女孩』も台湾で一世を風靡した青春映画です。
同じクラスの美少女をめぐるお話なのですが、主人公が好きな女の子に、好きゆえにちょっかいを出して鬱陶しく思われたりと、思春期ならではの歯がゆさは、世の男性の多くが経験したのではないでしょうか?笑
必ずしもうまくいかないところも、現実味があっていいのかもしれません。
こちらも日本語版があります。
日本版『あの頃、君を追いかけた』は山田裕貴&齋藤飛鳥主演
また、2018年に日本版『あの頃、君を追いかけた』が山田裕貴さんと齋藤飛鳥さん出演で公開されているので、日本でもご存知の方は多いかもしれませんね。
中国語学習方法⑤:中国語の歌で生の中国語に触れる(趣味)
上記の映画やドラマ同様、中国語の歌も楽しいですよ! お気に入りの歌手や歌を見つけて何度も繰り返し聴いてると、知らず知らずのうちに中国語力もUP!
王心凌はオススメ!
これは私の好みですが、王心凌はいいと思います。台湾のアイドル歌手ですね。日本の『亜麻色の髪の乙女』や『以心電信』といった歌の台湾版を歌っていたりします。
好きな映画の主題歌もオススメ
上記で紹介した『我的少女时代』と『那些年,我们一起追的女孩』の主題歌は好きで、よく聴いています! 主題歌を聴くと映画の世界観に浸れるのでいいですね。
中国語学習方法⑥:ネットやSNSで生の中国語に触れる
こちらも気分転換関連ですが、ネットやSNSで生の中国語に触れてみるのも面白いです!
スラングなどはチンプンカンプンだと思いますが、なんとなく雰囲気を読んでみると、新たな発見があったり、単語やフレーズを覚えるのに役立つかもしれません!
微信(WeChat)や微博のアカウントを作って、友達と中国語でやりとりしてみたり、気になる人をフォローしてみたりすると、楽しく実践的な中国語を学べますね!
HSK対策は過去問演習が不可欠
中国語学習者がHSKで良い点を取りたいなら、過去問対策は必須です。私はHSK5級を受験する前、リスニング力はまだまだ全然なく、作文は書いたところで採点できなかったので、基本的にはリーディングと語彙の並べ替え問題だけを過去問で解きました。
それでも本番形式に慣れることができましたし、演習を通して問題解答力を高めることができました!
時間がない人や、まだ自分のレベルが足りないと思う人も、得意な分野や、逆に苦手な分野だけでも過去問解いてみることをオススメします!
全部解こうとして、結局めんどくさくなってやめてしまうよりは、気楽に解きたい問題だけ解いてみましょう。
私は過去問に加えて、公式の長文テキストも購入し、『聴読中国語』に飽きた時に、気分転換に読んでみたり、付属のCDを聴いてみたりしました!
独学は単調になりがちなので、自分なりに変化を取り入れてみると、気分が変わって勉強の効率が上がりますね!
中国語学習で挫折したこと
『中国語筋トレ100読練習法』に挑むもレベルが高すぎた
インド駐在の1年間でHSK6級か5級を達成すると目標を定めた私は、東京駅近くの八重洲ブックセンターに行き、1年間使い込めそうな教材を探しました。そこで見つけたのが、木本一彰 著『中国語筋トレ100読練習法』でした。
英語学習の経験上、語学は大量の音読からの自然な丸暗記がやはり有効だと思い知っていたからです。
学校の英語テストの文章題には、教科書の文章中に空欄があって、「空欄に入る単語(文章)を書け」っていう問題よくありますよね? 私は中高生の時、「こんな丸暗記しなきゃ解けない問題出すから、日本の英語教育はダメなんだ」とか、よく毒づいていまし[…]
この本を1冊丸暗記すれば、相当な中国語力が身につくと確信しました。この本の良いところは以下の3点です。
- 付属CDで本文をゆっくり目のスピードとネイティブスピードの両方で再生できる
- 中国語を音で理解することに焦点を当てている
- 中国の文化を学べる
私はやはり、高いレベルで会話ができるようになりたかったので、漢字ではなく、ピンインを補助にひたすら中国語に触れて血肉とする、というこの本のコンセプトに強く共感したのでした。
HSK6級で6割得点できるまでは『聴読中国語』がオススメ
ただ、この参考書のレベルは私にとって高すぎました・・ 背伸びしすぎました。非常にいい参考書なのですが、少なくともHSK5級レベル以上ないと向きませんね。
まずは『聴読中国語』をもっとやり込んで、HSK6級で安定的に6割取れる実力になったら、この『中国語筋トレ100読練習法』をやり込んで中国語検定準1級や1級を目指していきたいです。
ぶっちゃけHSK5級は思ったほど難しくなかった・・!
HSK5級も6級も所詮マークシートの比重が大きい試験
HSK5級で6割得点すること自体は正直、思ったほど難しいものではなかったです(8-9割得点するのは容易でない)。
作文以外は4択のマークシートなので、なんとなく選んでも意外と当たります(笑)
特に、リスニング問題では問題文の大意すらわからなくても、いくつか聴き取れた単語があれば、その単語が含まれている選択肢が正解ということが意外とよくあります。試験のテクニックですね。
私はHSK5級を受験してから1年ほど後に、あまり中国語力に進歩がないままHSK6級を受験しましたが、5割5分得点できてしまいました(笑)
作文以外はマークシートですし、作文も、ものすごく拙い中国語でなんとか字数を稼いだら7割得点できてしまいました・・
HSK5級も6級も容易ではないが積極的に受験してみよう
英検1級もそうですが、難関資格といえども、ある程度のレベルに達していれば、本来は実力不足でも、運が味方して合格点をちょっと越えることがあるので、あまり構えず、どんどん受験してみることをオススメします!
HSKはTOEICのように、年何回もチャンスがあり、海外で受験できる場所も多いので、その点嬉しいですね!
HSK5級や6級で6割得点できただけでは実用的な中国語力があるとは言えない
HSKが思ったほど難しくないということは、HSKでいい点を取れたからといって、必ずしも実用的な中国力があるという証明にはなりづらいです。
特に日本人の場合は、漢字がわかるというものすごく強いアドバンテージがあるのでなおさらですね・・
おまけ:インドで中国語学習に励んだ理由
駐在中は「せっかく時間あるし、何かを学んで身につけよう!」と思い、中国語を勉強することにしました。プライベートで中国語が必要になったというのもありますが、ビジネス的にも今後ますます中国語の重要性が上がっていくと思ったからです。
せっかくインドのチェンナイにいたので、タミル語を本気で勉強していればペラペラになっていたかもしれませんが・・笑
おまけ②:英語だろうが中国語だろうが語学を学ぶのはそれなりに時間がかかる
考えてみれば、中高時代には授業だけでも相当の時間英語に触れていましたよね。あれだけ勉強しててもすぐに英語ができるようにはならなかったし、中国語もちょっとやそっとで上手に使いこなせるようにはならないですよね。
ということで、中国語を勉強していて伸び悩むことがあると思いますが、語学習得にはそれなりの時間がかかるという前提で、地道に学習していきましょう!
終わりに
以上が私の、インド駐在中に中国語を独学して、HSK5級で6割得点した話でした!
「1ヶ月で誰でも中国語ができるようになる!」とか「半年の中国留学でネイティブ並みの中国語力を身につける!」とか、超人的な勉強法ではありませんが、中国語を独学しようという人には参考にしていただけるのではないかと思います。
最近は日本にもたくさんの中国語話者がいるので、わざわざ中国語圏に留学せずとも、ネイティブと交流できる機会が多いので、中国語学習者には追い風ですね!
もちろん、できることなら中国語圏に留学などで長期滞在して、独学ではなく、生の中国語に浸るのが一番ですが! 私もいつか中国語圏に長期滞在してみたいなあ・・と思ったり。