人材の売り手市場が続く昨今、若手優秀層に人気な職種の一つであるコンサルタント。特に「外資コンサル」って響き、憧れますか?? なんかスゴそうですよね(笑) インド系IT企業から外資系の総合コンサルティングファームに転職した私が、最近のコンサルティング業界事情に軽く触れつつ、入社前後で知人や会社や上司からオススメされた(あるいは内容理解を義務として課された)書籍をご紹介します!
悪影響を及ぼしつつも今まで日本経済を成長させてきた、「終身雇用・年功序列」の神話が必ずしも成り立たなくなってきたことに、多くの人が気付き始めて久しいですね。未だに雇用の流動性が高そうでない日本ですが、外資系企業で働く人や私のような若い世代で[…]
コンサルタントとしてキャリアアップしやすい時代
外資系でも総合コンサルティングファームは狙い目
アクセンチュアや会計系Big4は大量採用することが多い
まず、最近のコンサルティング業界事情に軽く触れたいと思います。
コンサルティングという仕事が人気な昨今ですが、いわゆるTier1のMBBと総称される、マッキンゼー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベインといったトップ中のトップの外資系コンサルティングファームは依然として狭き門です(それでも、以前に比べると門戸は広がっている)。
ただ、アクセンチュアや会計系BIG4などの総合コンサルティングファームは(エンジニアとして入社する人も多いと思いますが)月に数百人もの人材を採用することもあり、特に若手のIT系人材にとっては、比較的入りやすい会社となっています。キャップジェミニやIBMなんかも採用は盛んですね。日系だと、NRIやABeam、ベイカレントなども採用が盛んなようです。
私の知人の多くも外資系総合コンサルティングファームへ
つまり、コンサルティング未経験の人もコンサルティングファームでの仕事に挑戦しやすい時代となっているのです。(事実、インド系IT企業における私の同期は、把握しているだけでも20人以上、上記の総合コンサルティングファームに転職しています。)
向く・向かないはありますが、興味がある人は一度選考を受けてみるのがオススメです!
「キャッチアップ」はコンサルタントの宿命
とはいえ、SIerや事業会社からコンサルティングファームに入ってコンサルタントとして仕事をするとなると、コンサルタントの仕事の仕方に慣れていないうちは、自分のスキルと求められるスキルの間に大きなギャップを感じることも多いと思います。(私もそうです。)
もちろん、実務を積んでいかないとなかなか身につかないスキルもありますが、書籍を読むことで、そういったスキルのキャッチアップを早めることができます!
ここでは、某外資系総合コンサルティングファームに転職した私が、会社や上司からオススメされた書籍のご紹介をします。新卒や中途でコンサルティングファームでのキャリアを考えている人も、もちろん現役のコンサルタントの人も参考にしてみてください!
外資コンサルがオススメする書籍:ロジカルシンキング
コンサルタントにとって最も大事な能力と言っても過言でないものは、ロジカルシンキングですね。コンサルタントって言うと、「いかにもロジカルな人」というイメージがあるかもしれません。コンサルタントの仕事は、(優秀な)クライアントができないこと、やりにくいことを支援することです。ロジカルに考えることができなければ、解くべき問題を明らかにすることも、その問題を解決できそうな方法を考えることも、その解決方法を説得力を持って説明することも、実行に移すこともできないでしょう。
コンサルタントを志望するような人は、そもそも自他共に頭の良さを認めている人が多いと思いますが、熟練のコンサルタントの論理的思考能力は、みなさんが思っているより高い(本当に正しいことを言っているかは別として、正しいと思わせる能力に長けている(筆者主観))ので、彼らと同じ土俵で仕事をするには、コンサルタントの思考法をマスターしなくてはなりません。ここでは、2冊の書籍をご紹介します!
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」
ロジカルシンキング・問題解決の決定版と言われており、支持され続けて20万部突破している書籍です! 私は前職のチームメイトに、「コンサルやるならこの本は読んどいた方がいいよ」とオススメされて読みました。筆者の安宅和人氏は東大修士からマッキンゼーを経てイェール大学で脳神経化学の博士号を取得、マッキンゼー に戻り、現在はヤフーのチーフストラテジーオフィサー(CSO)という輝かしい経験の方です。高度な理論と実践を反映した書籍となっています。
〈圧倒的に生産性の高い人〉に共通する問題設定&解決法
「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。
あなたが「問題だ」と思っていることは、そのほとんどが、「いま、この局面でケリをつけるべき問題=イシュー」ではない。
本当に価値のある仕事をしたいなら、本当に世の中に変化を興したいなら、この「イシュー」を見極めることが最初のステップになる。 (『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』より)
東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
この書籍は、これからコンサルティングファームの選考を受ける人にオススメです! 私はここに載っている問題を何度か解いてケース問題を解決する基礎を学び、コンサルティングファームの選考だけでなく、日常生活の問題解決にも応用できるようになりました。コンサルに興味がない人にもオススメです! 逆に、こういった問題解決を楽しめない人は、コンサルタントには向かないとも言えます。
外資コンサルがオススメする書籍:リサーチ
コンサルタントには、高いリサーチスキルも求められます。リサーチを通してクライアントの課題を解決する糸口を探したり、根拠を強いものにしたりするのです。限られた時間で求められる以上の成果を出せるように頑張りましょう!
外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル
世界最大級のコンサルティングファーム、アクセンチュアで蓄積されてきたリサーチのセオリーとテクニックが書かれています! Web検索、統計調査、インタビュー、文献検索、ソーシャルリスニング等、情報を収集・整理・加工し、断片的な事実(ファクト)から意思決定に寄与する洞察(インサイト)を抽出するプロの「調べる」テクニックが満載です。コンサルタントだけでなく、大学等で調査・研究をする人にもオススメですね。
外資系コンサルがオススメする書籍:データ分析
コンサルタントはデータを分析することがありますが、データを分析すること自体が目的ではなく、データ分析を通して、経営成果をあげる問題発見・解決をすることが目的ですよね。そういった基本スタンスを身に付けるのに良い書籍をご紹介します!
意思決定のための「分析の技術」―最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考法 (戦略ブレーンBOOKS)
「分析」ってなんだと思いますか? その答えがこの書籍にあります。「分析」には確かな切り口と方法論があり、その技術を磨き、蓄積し、改善することができます。この書籍では豊富な事例をもとに、有効かつ実行可能な全体最適の経営判断(修飾語が長い・・!)を導く戦略思考の枠組みを提示します。
情報量が多く、私の理解力が足りないからか頭にすんなり入ってくる文章ではないので、焦らずじっくり読むのがオススメです!
外資系コンサルがオススメする書籍:資料作成(特にMicrosoft OfficeのPower Point, Word, Excel)
コンサルタントは、いくらロジカルシンキングやリサーチ、データ分析ができても、その成果をクライアントに伝えられないと、価値を発揮できません。そんな成果を伝える手段として、資料にまとめることが有効ですよね。資料作成の基本はご紹介する書籍で学びつつ、実践を重ねて技術を高めていきましょう!
外資系コンサルが実践する 資料作成の基本 パワーポイント、ワード、エクセルを使い分けて「伝える」→「動かす」王道70
「資料作成」のスキルは、プレゼンや商談、企画提案、上司への報告など、ビジネスのあらゆる場面で必要になりますよね。この書籍は、資料作成のプロでもある外資系コンサルタントが日々実践している、無駄なく、完成度の高い資料を作成するための王道のスキル、テクニックを網羅的に70項目にまとめてあります! この書籍の内容をマスターすれば、様々な場面で役立つこと間違いなしです。
Excel 最強の教科書[完全版]――すぐに使えて、一生役立つ「成果を生み出す」超エクセル仕事術
34刷、326,000部突破した大人気のExcel本です! コンサルタントと言わず、他の職種の新人からチームリーダー、管理職まで、ぜひとも読んでおきたい社会人必読の1冊です! この書籍には、誰でもすぐに利用できる「業務直結のノウハウ」が1冊に凝縮されています!
みなさんにお伝えしたいことがあります。それは次の2つです。
・みなさんが日々行っている、さまざまなExcel作業は劇的に改善できる
・その方法は、すべての人が簡単に習得でき、今日からすぐに使えるこの2点をぜひ覚えておいてください。ここでいう「Excel作業の改善」とは、日々の面倒なExcel作業が正確、かつ劇的に速く行えるようになる、ということであ
り、それと同時に、より効率的なデータ集計や、的確なデータ分析が行えるようになる、ということです。
これらを改善すれば、業務上のあらゆる場面で大きなメリットを得ることができます。『Excel 最強の教科書[完全版]――すぐに使えて、一生役立つ「成果を生み出す」超エクセル仕事術』より
終わりに
以上ご紹介した書籍は、興味があるものからでいいので、コンサルタント志望者の人には是非読んでいただきたいなと思います! こういった書籍を読めばコンサルタントとしての成長速度が加速しますし、寧ろ読まないと非常に辛いと思います・・! また、書籍を読んで「コンサルタント合わなそうだな」と気づくのも一つの成果ですね。ご武運を!!