エスニックタウン

埼玉県下随一の多国籍タウン「西川口(チャイナタウン)」・「蕨(ワラビスタン)」エリアを散策してみた

最近はご無沙汰だった趣味のエスニックタウン巡り。私は埼玉県民として川口にも蕨にも馴染みがあり、このエリアは「相当カオス」という情報を時折小耳に挟んでいたのですが、実は散策というほどの散策をしたことがありませんでした。ところが最近、鈴木ユータ・松立学氏編『これでいいのか!川口の危機』を読んだことをきっかけに、「西川口(チャイナタウン)」・「蕨(ワラビスタン)」エリアを散策してみることにしました!

西川口はチャイナタウンというより雑多な多国籍タウン?

西川口は単純なよくある発展ではなく、変遷を遂げてきた波乱万丈な街です。その現状を確認し、歴史を振り返ってみましょう。

西川口の状況は新大久保のそれにちょっと似ている

新大久保もコリアンタウンとはいいつつ、近年では中国系やベトナムなど東南アジア系、ネパールなど南アジア系が入り濫る多国籍タウンとなっていますが、西川口も新大久保と状況は似ているようです。新大久保の場合は、もともとあった韓国系のお店と同じくらい、中国など他の文化圏の勢いが強くなってきている印象です。

西川口の場合は、中国系のお店の横を見ると、タイとかインドとかベトナムな雰囲気のお店がある感じですね。フィリピンパブもしっかりあります笑

違法風俗店によるNK流が一斉を風靡した後、カオスな多国籍タウンへと変貌を遂げた西川口の成り立ち

西川口は、鋳物業で戦後復興の立役者となっていた川口の一つのエリアであり、人口も増えていったことから1954年に京浜東北線の駅ができました。西川口駅は入場者数・売り上げともに日本一である川口オートレース場の最寄駅でもあり、1960年代から労働者やギャンブラーが酒を引っ掛ける「鉄塔横丁」という西口の繁華街が栄えていたようです。そして1970年頃、トルコ風呂(現・ソープランド)が初めて鉄塔横丁に進出し、1980年代から後にNK流と呼ばれる違法風俗店が乱立し一斉を風靡しましたが、2003年から警察当局による風営法の取り締まりがあり、西川口の違法風俗店も姿を消していきました。埼玉県内の反社会勢力の3分の1は西川口にいるというような時代もあったそうですが、今はソープランドが何店か大通りに面している程度になっています。

西川口の成り立ちはこんな感じであり、私の世代はNK流など歴史の中でしか知らないのですが、「労働者やギャンブラーが酒を引っ掛ける街」から発展してきた西川口は川口市民でさえも身構えるような土地となったのです。そんな日本人に不人気だが家賃が比較的安めで、都心へのアクセスが良い土地が、カオスな多国籍タウンへと変貌を遂げるのはもはや既定路線だったのかもしれませんね・・

西川口にも「日本人がやっている中華料理屋さん」という感じのお店もありますが、断然目を引くのは、中国にあるお店をそのまま西川口に持ってきました、みたいなお店。店の半径10mに強烈な中華スパイスの香りを漂わせている店や、魚や蟹が入った水槽を店の前に置いて、これまた強烈な水槽の匂いを漂わせているお店も。私は北京と上海くらいしか行ったことのないちょっとした中国経験者ですが、西川口も中国らしい中国(?)になってきたように思えました・・ 中国人移民の皆さんがこういった強烈な匂いを嗅ぐと、プルースト効果で故郷の風景が思い出されるのでしょう・・

日本人の私としては、鰻の蒲焼きや焼き鳥の香りが漂ってくるくらいがちょうどいいんですけどね笑

芝園団地はリトルチャイナというよりもはやリアルチャイナ?少子高齢国家日本の未来を先取り!

芝園団地は約2,600人の中国人が住むマンモス団地

蕨駅から少し歩くと、URのマンモス団地「芝園団地」があります。ここは少子高齢化に喘ぐ未来の日本の縮図かもしれません。高度経済成長のシンボルとして人気だった団地も、現在は日本人住民の高齢化に伴い、外国人(特に中国人)が多く住む地となっています。しかも、多いなんてものじゃありません! 住民5,000人の過半数は中国人という、中国人がマジョリティの小さな町のようになっているのです・・!

理解のある中国人が増えれば日本人にとっても住めば都かも

以前はマナーの問題などいろいろ大変だったそうですが、近年では中国人住民の理解や日本人との相互交流も進み、問題はだいぶ少なくなったようです。敷地内にはスーパーや歯医者、郵便局や保育所、服屋や中華レストラン、タピオカ屋さん(!)まで、生活に必要なものがあるので、日本人・外国人問わずだいぶ住みやすそうです。

保育園は中国人用のような雰囲気(実際はそうではない)ですし、中華レストランは日本語があまり書いていないような本場中華なので、中国人住民はすごく快適そう。「リトル」チャイナというより「リアル」チャイナと呼んだ方がしっくりくるかもしれません・・

日本の皆さんも、中国人がマジョリティのエリアで暮らすことに抵抗がなければ、なかなかいい場所なんじゃないかと思いますよ! 特に私のような中国語学習者は、高いお金を払って中国留学に行かずとも、芝園団地で暮らせばいろんな地域の中国語を自然と学べそうです笑 芝園団地留学オススメ!

日本は少子高齢社会なので、今後は国内の人口に対する移民や移民の子孫の割合が高くなっていくでしょう。あなたの周辺でもそのような事態が起こりそうな場合は、ぜひ芝園団地の先進的事例から学んで、多文化共生を成し遂げましょう!

実態が掴みづらいクルド人によるワラビスタン

「ワラビスタン」とはなんぞや?というところから見ていきましょう。

苦難の道を強いられているクルド人難民が蕨・川口エリアへ

クルド人は苦難の歴史を歩んできた民族です。最近トランプ大統領がアメリカ軍をシリアから急遽撤退させてしまったために、トルコがシリアに対して軍事行動を始めたことで日本でもニュースになっていますね・・ クルド人は国家を持たない最大の民族と言われており、トルコからの独立運動などの影響で、国外へ難民となって暮らしている人も多いです。

そんなクルド人は日本に2,000名ほどいるそうですが、その75%にあたる1,500名ほどが蕨・川口エリアに住んでいるそうです。そんなことから、「わらび」と国家を意味する「~スタン」を合わせて、クルド人が多く住む地域を「ワラビスタン」なんて呼んだりもします。とはいえ、西川口駅西口や芝園団地のリアルチャイナタウンや、韓流アイドルファンが押しかける新大久保とは違い、ここがワラビスタンですと言えるような場所はよくわからないのです。クルド人の皆さんはワラビスタンに分散して住んでいるのでしょう。

イスラム教徒っぽい人々がクルド人なのかはよくわからないが蕨には複数のハラール食材店が

何かないかなあと思って、蕨駅から芝園団地に向かっていると、ハラールと書いてあるお店がすぐわかっただけで3軒もありました! しかも、道にはイスラム教徒っぽい人々が何人も・・ 彼らはここ周辺で暮らしているのでしょう。いかにもクルド人です、ってわかるような見分け方を私は知らないので、彼らがクルド人なのかはわかりませんが。

ハラールと書いてある店には、それぞれ国旗が掲げられているものがあり、私が確認した限りだと、バングラデシュとネパールのものを見ました。店主の出身地なのでしょうか。

実は密かな人気の自然発生型エスニックタウン

「エスニックタウン散策が趣味です」なんて言う可能性がある人は、後述する私のバイト仲間くらいしか思い当たりません。そのため、こんな文章を書いている時点で自分はなかなかユニークな存在なのかなあとも思いますが、これを読んでくれているあなたも、実は関心があるんですよね??

と言うよりも、よっぽど閉鎖的な村や町にでも住んでいない限り、日本人は好むと好まざると、グローバリゼーションの波に飲み込まれていくと思うので、そこらへんの心構えをしておいた方がいいかも。

エスニックの香り高かった大学生時代

純ジャパの私は、もともと異国のワクワク感・カオス感への好奇心が強く、大学ではタイに留学したり、様々な国(特に東南アジア)の留学生と交流していました。それだけではなく、日本屈指の多国籍カオスタウンである歌舞伎町でのバイト仲間とともに、コリアンタウンとして有名な新大久保や、早稲田大学のお膝元?「リトルヤンゴン」こと高田馬場巡り、おしゃれどころ(?)だと代々木上原の東京ジャーミイ訪問なんかをしていました。

『おさんぽマップ東京エスニックタウン』を片手に巡るとより楽しめました!

エスニックタウンを歩くだけでも楽しかったですが、そこで食べる本場のエスニック料理にはハマりましたね。なんだか日本にいるのに違う国にいるような心地が日々の生活を彩っていました。

私が書いたエスニックタウン系の記事は割と人気

そういったエスニックタウンで見たこと・感じたことは記事にして当ブログ「ある通訳案内士の旅路」や、寄稿している旅行系ウェブメディアの「トリップノート」に寄稿してきました。最初はあんまりアクセス数稼げそうにないし、そもそもトリップノートの編集者さんに掲載を許可してもらえるか不安でしたが、それぞれのサイトで私が書いた1番人気の記事は、それぞれ「リトルマニラ-東京都足立区竹ノ塚でフィリピンパブデビューしてみた」と「観光地ではない【真の中華街】池袋北口を1時間で手軽に散策!」という結果に・・! 世の中の皆さんも私と同じようにいわゆる「自然発生型エスニックタウン」に興味があるのだなと実感を持つに至りました!

横浜の中華街などのように、観光地化したチャイナタウンではなく、ある土地にいつの間にか異なる文化を持った人が住むようになって彼らの経済圏を作り上げていったような、そんな生活感満載のエスニックタウンは、カオスさの中にも親しみやすさがあるような気がするのです。いろいろ解決しなければならない問題はありますが、異国でフロンティア精神を持って日本で頑張ろうとしている人たちなので、彼らが日本人と共生したいと思う限り、私は彼らを応援したい気持ちが強いです。(もちろん悪人には「国に帰れ!」って言いたいですけどね)

日本人も海外にリトルジャパン創っちゃえば?

ここまで書いてきて、「あー中国人すげー」とか思っていただくだけでもいいですし、「日本の未来を考えると、もっと外国人と仲良くしなきゃなあ」と思っていただけるともっと嬉しいのですが、日本人として危機感を感じたりしませんか? 今後、日本においても日本人の影響力の低下は免れないような気がします。(移民を排除したら国が成り立たなくなりそうなので、移民受け入れには賛成ですが)

ユダヤ人や華僑・印僑は、その強力なフロンティア精神と世界に広がるネットワーク・財力でもってこの世界に大きな影響力を持っています。アメリカが世界の超大国でい続けているのだって、国土の広さや天然資源の豊富さはあれど、移民の国としてフロンティア精神旺盛な人が多いからなのだと思います。いまだに世界中の優秀な人々の一定数は、アメリカの超名門大学やシリコンバレーでの起業を目指して、中長期での滞在・移住をしていますよね。

蛯原健氏著『テクノロジー思考』や、武鑓行雄氏著の『インド・シフト』を読むと、日本はややもすると世界に置いていかれそうに思えます。

日本がそういった世界の優秀層に魅力的な国になることももちろん大切ですが、日本人がもっと世界に打って出れば、「日僑」のように呼ばれ、世界で大きな勢力を持つようになるかもしれません。日本は日本人にとってなかなかに快適な国ですし、移民するほどのモチベーションは湧きづらいかと思いますが、志あるフロンティア精神を持った人が世界にもっと討って出たらいいんじゃないかなあと思います。(そういうお前はどうなんだと言われそうですが・・)もちろん、数千年にも渡って広い範囲に移住していった中華系の人々や、より良い生活を求めて移住精神旺盛且つ人口が10億人を超えるインド系と比べてもしょうがないんですけどね。

ただ、かつて山田長政が日本人町をアユタヤに作ったように、アメリカの日系人がリトルトーキョーを作ったように、世界各地に「リトルジャパン」ができたら面白そうだなあとこの記事を書きながら思いました〜

(永住するかどうかは別として、各国・各都市の駐在員コミュニティは実際ありますね。)

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