私は早稲田大学で『文化から環境を考える』という授業を履修しました。生物多様性を文化的な側面から考える、というようなコンセプトの授業です。
その授業の一環で、 冬の釧路や阿寒湖アイヌコタンなどでフィールドワークを行いました。その時の様子を備忘録がてら書いておきます!
(上廣倫理財団さんのご支援のもと、数回のフィールドワークに参加することができました!)
虹別コロカムイの会の方がシマフクロウの巣箱を清掃

シマフクロウは集落の神
シマフクロウは「コタンコロカムイ」とアイヌ語で呼ばれています。 集落の神という意味です。
シマフクロウは、巣とする洞のある巨木が少なくなってしまったので、 数が減少してしまったそうです。 近年では虹別コロカムイの会など、 シマフクロウが戻ってこれるような環境づくりに邁進されている方々のご尽力で、 生息数は増えてきました。
シマフクロウの巣箱清掃に同行
巣は気の高い所に設置されているので、 梯子に登って、巣の中を見させてもらいました。おがくずが敷かれていますね。
虹別コロカムイの会の方が、その中をきれいにしていました。
マスの放流をしている場所も見学
続いて、マスの放流をしている場所などの見学に行きました。いろいろと施設に工夫がされているそうです。
夏のASEPぶりの訪問
虹別コロカムイの会の方には、イオン環境財団さんが主催する夏のASEP(Asian Students Environment Platform)でお世話になりました。
今年のASEPでは、北海道の東部・北東部を舞台に、生物多様性のために人間がどのような取り組みができるかを、6カ国の学生で1週間にわたって調査し、より良い生物多様性のための提案を行いました。
今回の細胞では、夏のASEPで植樹した場所とその周辺を散策しました。自分たちが植樹した木の成長を見るのは嬉しいものですね!
地域の皆さんとの交流も貴重なフィールドワーク

夜は、コロカムイの会のみなさんと、飲み会でした(笑)飲んで食べて語らうのもフィールドワークの一環なのです!
近所の方や地方自治体の方、研究者の方々とお話しするのは、 刺激的で、生物多様性についてなど、本やネットでは学べないことをたくさん学べました。 結局、人と人との触れ合いから、何か新しいことが生まれるんだろうなあ、 などと思いましたね。
その日は会場の虹別酪農センターに泊まらせてもらい、 朝食もごちそうになりました。 ありがとうございます!
神々しい冬の摩周湖

翌日はまず摩周湖へ。天気が良くて霧などがなく、空気も透き通っていました。
冬の摩周湖は神々しい雰囲気を称えているように感じました。また夏に来てみたいです!
近くの温泉も良かったです。
阿寒湖アイヌコタン

続いて、摩周湖から遠くない阿寒湖アイヌコタンへ。
アイヌコタンとはアイヌの集落である
アイヌはご存知の通り、北海道に昔から住んでいる民族で、 「アイヌ」とはアイヌ語で「人間」という意味です。 「コタン」は「集落」とか「部落」という意味です。
アイヌの劇場にはアイヌの文化が詰まっている
阿寒湖アイヌコタンでは、またまたASEPでお世話になったアイヌの方に劇場を案内していただきました。
劇場は私のように知識のない一般人がパッと見ても、客席と舞台があるだけというシンプルな劇場ではなく、川を見立てた水路があったり、壁に文様があったりと、 一風変わった劇場となっていました。
そのアイヌの方の解説によると、 それぞれのディテールには意味があって、アイヌの世界観がうまく表現されているようです。
アイヌの人々は伝統的に、そこに住む動物たちとうまく共存しています。私たちが生物多様性について彼らから学ぶべきことはたくさんあります!
アクセサリーなどアイヌのお土産も
阿寒湖アイヌコタンでは、工芸店でアイヌのアクセサリーなどのお土産も買うことができます! 独特なデザインが魅力的です。
アイヌ語を学ぶのもオススメ
ちなみにですが、私は大学で「アイヌ語入門」を履修してA+をとりました(笑) その知識は残念ながらほとんど役に立っていません。脳内の教養ボックスに格納されていますが、内容は日に日に薄れていきます・・
先日、「恐竜博2019」目的で上野の東京科学博物館に行った際に、【アイヌと北海道に住む生き物たち】というちょっとした特別展示を見ました。そこで、「ウポポイ(民族共生象徴空間)」という、なんとも文化人類学好きな人間の心をくすぐるよう[…]
釧路湿原でタンチョウを見る

続いて、ラムサール条約に登録されている釧路湿原へ。 野鳥の会の方に、タンチョウについてレクチャーをしていただきました。
小学生の頃は土手の野鳥についてよく調べていたので、 その時のことを思い出しました。 懐かしいですね~
タンチョウが一斉に飛ぶさまは美しく、 澄んだ青い空に良く映えていました。冬の北海道では、大自然の厳しさが身に沁みますが、その分、大自然の美しさを目の当たりにすることができますね!
終わりに
2泊3日という長くはない行程でしたが、今回の道東フィールドワークでは多くの方のご協力のもと、生物多様性のために人間ができることについて、知見を深めることができました。草の根的な活動の重要性を痛感します!
参考
他のフィールドワークでは、まほろばの里と言われる、美しい山形県高畠町で農家の方々をはじめ、地元の方々と交流を深めました。
「文化から環境を考える」という授業を早稲田大学で履修しました。その番外編として、山形県高畠町にも先生のフィールドワークに同行させていただきました。高畠共生プロジェクトという取り組みの一環です。その時の様子をご紹介します!ま[…]