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【南京で逮捕されかけた話】留学で鍛えた中国語力と駆け引きで事無きを得る

 

これはHiroさんの経験談です。

 

それは、中国留学から帰国する1ヶ月前に起こった。

僕は留学前の思い出づくりに、中国一周旅行をしていて、その途中南京に立ち寄った。

 

これまで中国の他の場所に旅行していたことはあったし、外国人だからといって差別的な扱いをうけたことはなかったので、特に不安はなかった。

 

そう、まさか旅行しに来た自分が逮捕されかけるなんて、夢にも思っていなかった。。。

 

南京に到着後、まずはホテルを抑えるためにとあるチェーンホテルのフロントへ

「你好!今空いてる部屋はありますか?」

「あります。身分証をお願いします」

「はい、こちらです(日本のパスポートを差し出す)」

「…日本人ですか?」

「はい」

「でしたら、泊まれません」

「?!なぜです」

「そういう決まりなので」

 

決まりとは…。

初めての経験にとまどいながらも、次の宿へ

 

「こんにちは、チェックインを …」

「日本人ですか?!お帰りください」

 

なんだこれ。

その後、幾つかの宿をめぐるも似たような対応で追い返される。

 

しびれを切らして、僕はあるホテルで理由を聞いてみた。

 

「こんなことは初めてです!どうして泊まれないんですか?」

「昨日、南京政府からこのような法令が敷かれました。なので、日本人はもちろん、外国人は泊まれません」

見ると、そこにはこう書かれていた。

「南京では2014年夏に国際会議が開かれます。その準備と治安維持のため外国人をホテルに停めてはいけません。必要な場合は南京政府が指定する宿泊施設(超高級ホテル)のみ宿泊を許可する」

 

…こんな話があるか!

掛け合ったところで、「私たちは政府の指示に従ってるだけなので知りません」の一点張り。

 

そんな…。

 

落ち込んでいるヒマはない。

もう夕方の5時、早く宿を取らないと野宿が決定してしまう。

 

そんな中、巡ったホテルのひとつで好機が訪れた。

空いている部屋はないか聞いたところ

「はいはい、空いてるよ。身分証は確認めんどくさいからいいや、はい鍵」

と受付の老板に言われた。

 

「っしゃ!」

と、内心思った。

 

今日の夜さえしのげれば、どんなホテルでもいい。

受付で100元を支払い部屋に入った。

 

「は〜ヤレヤレ。とりあえずこれで一安心だわ…」

荷物を置いて30分ほどくつろぎ、ガイドマップを開いて予定を決めようとしていた。

 

その時だった。

 

ドンドンドン!!!

「警察だ!開けろ!」

 

心臓が止まりかけた。

いきなり部屋のドアから猛烈なノックと怒号が飛んできた。

 

戸惑いながらもドアを開けると、そこには警官3人と先ほどの老板1人がいた。

「街の監視カメラを見ていたんだが、お前複数のホテルを巡っていたな。身分証を出せ。」

パスポートを差し出した。

「何?お前日本人か?」

「…はい」

「この法令は知ってるな?」

先程別のホテルの受付で見た法令だった。

知ってると言ったら何をされるか分からない。

「いや、なんですかねこれ。」

「外国人は南京の一般ホテルに宿泊できないことが南京政府により定められている!とりあえず、署まできてもらおうか。」

「いや、何のことですか?」

「話はあとだ。お前は現在法令違反の身なので、まずは逮捕・拘束となるだろう」

 

頭が真っ白になった。

 

え?南京に観光に来て?逮捕?

 

いやいやいや

ありえないでしょ

 

僕は留学を通じて知っていた。

ここで日本流にまずはおとなしく従ったり、相手と話し合おうとしたらどうなるかを。

おそらく、相手の思うように連行されるであろうことを。

 

「怎么开玩笑!(ふざけるな!)」

 

怒鳴りつけるように言葉を発してくる警察に、必死で対抗するように返した!

 

「それが南京政府のすることか!今から日本大使館に電話して講義する!」

「まずは連行が先だ!」

 

このような押し問答を繰り返した後、

「仕方ない。電話をするならしろ。ただしその後に拘束する」

「とにかく部屋の外で待て!」

 

そういって、警官を一旦部屋から出し、急いで日本大使館に電話した。

 

「ずいまぜん、たすげてください!!!」

もう泣くしかなかった。

てか、泣くわ。

 

今日起きたことをあらいざらい話した。幸い日本語で対応してくれたので少し内心落ち着けた。

「えぇ、そんなことがあるんですか?」

「今まさに目の前で起きてます!このままだと逮捕するとのことです!」

「分かりました。今から南京警察に確認を入れます。すぐに対応しますのでしばらくお待ち下さい。あと、警察の方に電話を代わってください」

 

部屋のドアを開け、警察に電話を渡した。

警察と大使館の人が20分くらい何かを話していたが、ほとんど覚えていない。

 

その後、警察が2人追加で来て、こう言われた。

「今回は見逃してやる。即刻立ち去れ。」

 

色々言いたいことはあったが、とにかく一刻も早くここを去るべきと思い、荷物をまとめた。

 

その後タクシーを乗り継ぎ、深夜に郊外の国際ホテルになんとか泊まれたのであった。

 

その後、現地で生活する日本人や中国人に話を聞いてみたが、

「そんな話は聞いたこともない。ただ調べてみたら、その前日にいきなり公布があったらしい。ともかく逮捕されなかったのはラッキーだった。」

とのことであった。

 

この体験は自分が海外で経験したことの中でもトップクラスに強烈な記憶になっている。

中国やその都市南京のことをそんなに嫌いになったわけでもないし、批難したいわけではない(いや、少しはあるかも笑)。

 

ただ、海外で過ごしていると何が起こるか本当にわからない、というのは間違いない。

 

こんな話を聞いて、海外で出ることに抵抗を覚える方もいるかもしれない。

しかし、自分にとってこの経験は、危機管理能力を高める機会になり、南京についてよりよく知りたいと思うきっかけにもなった。

 

何が起こるか予測はつかない。

その環境で自分をどう守るか、どう過ごしていくか、この記事がそんな価値観につながる支えになれば幸いである。

 

by Hiro

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